小学生に自由にSNSを使用させることは大きなリスクを伴う(写真はイメージ/提供:共同通信社)

 Z世代に代わって新しい消費文化を生み出しつつある「α(アルファ)世代」(2010年ごろから2024年に生まれた若者)。幼児期からSNSに触れるデジタルネイティブ世代だが、その一方で情報の出どころを見抜く力が未成熟なため、思いもよらぬリスクにさらされる危険性もはらんでいる。ニッセイ基礎研究所研究員(生活研究部)の廣瀬涼氏が、α世代の情報リテラシーについてレポートする。(前後編の【後編】)

【前編を読む】SNSの利用が制限されている小学生にネットミーム「エッホエッホ」が伝播した背景とは?

「クラス内のインフルエンサー」となっているリーダー型

 コミュニケーションプランニングを手掛けるOn’yomiが運営する「α世代ラボ」は、小学1年生から中学3年生の子どもとその保護者600名を対象に「購買・消費傾向調査」を実施し、α世代の特徴を2つのタイプに分類している。

・リーダー型:リーダーシップを発揮し、自ら発言・発信を行う。新しいことへの挑戦にも前向き
・フォロー型:自ら発信するよりも周囲を支え、安定した環境を好む

 この調査からは、「リーダー型」が自由に使えるお金やデバイスを持っている割合が高く、情報流通のハブとして機能している実態が明らかになった。特に、同世代のインフルエンサーが発信したトレンドをいちはやくキャッチし、それを自ら発信することで、フォロー型の子どもたちへと影響が波及していくという流れが確認されている。

 リーダー型がSNSやYouTubeで紹介した流行やネットミームは、学校や仲間内のネットワークを通じて「フォロー型」に拡散される。フォロー型は受動的にトレンドを受け取る傾向にあるが、一定の信頼を置いているリーダー型や、2~3歳程度年上の“身近なインフルエンサー”の発信を重視する傾向があるようだ。

 多くのSNSで年齢制限がされている中で、リーダー型が年齢制限のあるSNSと接点を持つことができる背景には大きく3つの要因があると筆者は考える。